前回は、キャンプ道具のメスティンを使った炊飯を紹介しました。
今回はメスティンのお手入れについてお話ししたいと思います。
キャンプ道具は使い込むと、自分のモノ!という特別感が湧きます
正しくお手入れして、自分にしか出せない〝味〟を出していきましょう♪
メスティンのお手入れ|正しく手入れして長く使おう♪
今回は、私が使っている〝トランギア社〟のメスティンを前提とした話になります。
ですが、他社製品をご使用予定の方も共通することがあると思うので、参考になれば幸いです。
メスティンの基本スペック
サイズ:外寸17.0cm×9.5cm×高さ6.2cm
材質:アルミニウム
重量:約150g
容量:約750ml
炊飯量:最大1.8合まで
見た目は完全に「アルミ製のお弁当箱」だよね…?
アルミはステンレスの約1/3の重さなので、
できるだけ荷物を軽くしたいキャンプ向きの金属なんだ。
より軽くて丈夫なチタンではダメなの?
チタンはアルミより更に軽くて丈夫です。
しかし、料理道具としては、アルミのほうが良いと思います。
熱伝導率の高さは、
ダイヤモンド>銀>銅>金>アルミニウム>真鍮(5円玉)>鉄>チタン>ステンレス>水
の順です。
熱伝導率が高いと、均一に熱が行きわたりやすいので、料理道具は熱伝導率が高いほうが使いやすいんです。
逆に熱伝導率が低いと、火が当たっている場所からなかなか全体に熱が行きわたらず、火が当たっている場所だけひたすら熱くなって焦げてしまいます。
チタンのデメリット
チタンの最大のデメリットは、お高いことです。
チタンマグカップが人気です。
私も欲しいけど、お高いよねえ…
ちょっと手が出ないよ…
さ…3000円かぁ…
他にも道具を揃えなきゃいけないから、
初心者キャンパーには、辛いなぁ…
アルミのメリット|キャンパーの強い味方なワケ
アルミはお手入れが楽な金属です。
全然錆びないでしょ?
そういえば、アルミ鍋が錆びるなんて聞かないね
アルミが錆びないと言ったな。それは嘘だ。
ナンダッテー!?
っていうか誰!?
アルミの表面は錆びているので
錆びないというのが正しい
どっちなのよ!
アルミの表面はすぐ空気中の酸素と結びついて錆びるので、
私たちが普段見ているアルミの色は、アルミが錆びた色
鉄はサビサビになると強度が落ちるけど、
アルミはすでに錆びた状態が平常運転なんだ
知らなかったわ
でも、知らなくても良かった気もする…
アルミのデメリット|キャンプで気を付けるポイント!
アルミのデメリットはやわらかめの金属なので変形しやすいということです。
アルミ缶とスチール缶を比べると
よくわかると思います
また、融点が660℃と低い金属なので、熱くなりすぎる使い方はできません。
でも料理道具を乱暴に扱う人は少ないので、焚き火で使うときに気を付ければ大丈夫です。
キャンプ道具で迷ったら、
材質の長所と短所を知ったうえで選ぶのが、おススメだよ!
メスティン購入後にまずやること
メスティンを手に入れたあと、使う前にまずやらなければならないことがあります。
それはバリ取りとシーズニングです。
メスティンはアルミニウムの一枚板をプレスして製造されるため、本体とフタ両方のフチの部分に鋭利なトゲやザラザラした切り口が残っています。
実は、そのまま使うと手や口に怪我をしてしまいます!
バリ取りを行って滑らかにすることで、安全に使うことができます。
バリ取りの方法|ひと手間かけて安全に使おう!
【バリ取りに必要な道具】
- 耐水性の紙ヤスリ(荒め400~600番くらいと細かめ1000番くらい各1枚)
- 軍手
- マスク
この3つがあれば、最低限大丈夫です。
耐水性の紙ヤスリを指定したのは、最後に水で洗ったあと、ヤスリ掛けが甘い場合は追加でヤスリ掛けを行う必要があるためです。
また、金属の加工作業時は金属粒子や化学物質を吸い込まないよう、必ずマスクを着用してください。
【バリ取りの方法】
まず、荒めの紙ヤスリを手ごろな大きさ(10cm×10cmくらいで大丈夫)に切り、本体とフタのフチを削ります。
このような作業の際は、
けが防止のために軍手を着けるのを忘れないでくださいね
紙ヤスリで削るのは本当のフチの部分だけにしないと、メスティンのツルツルボディがザラザラになってしまうので注意です。
続いて細かめの紙ヤスリで同様に削ります。
削り終わったら細かいアルミの粉が付いているので、水で洗い流します。
そっとフチを触ってみて、
滑らかになっていたらOKです
シーズニングの方法|ひと手間でお手入れを簡単に!
バリ取りが終わったらシーズニングをします。
トランギアのメスティンは、アルミニウムの板そのままの表皮のため、そのまま加熱して使うとコゲつきや黒ずみが生じやすくなっています。
シーズニングとは、あらかじめアルミニウムの表面に酸化被膜を作り、化学的に安定させる加工です。
難しく聞こえるけれど、鉄のフライパンに焼き入れをするようなものです
そのアルミ版ですね!
メスティンのシーズニングに必要なものは、メスティンが入る鍋とお米のとぎ汁です。
鍋にメスティンとお米のとぎ汁を入れて、しばらく煮るだけの簡単な作業です。
私は10分ほど煮ました
ぱっと見ではどのように変わったかよく分からない状態ですが、しばらく使っていて中が黒ずみにくくなっていればシーズニングができています。
もしまだ黒ずむように感じたら、もう一度米のとぎ汁で煮るのも良いですが、レモンなどのクエン酸を使うと落ちやすいですよ。
料理に使った後のお手入れ
アルミ製のメスティンは、アルミニウムがやわらかめの金属という特性があるため、洗うときに金属タワシはNGです。
せっかくのメスティンが傷だらけになります!
やわらかいスポンジで、やさしく洗いましょう
通常の食器洗い洗剤は使用しても大丈夫です。
ただし重曹は使ってはいけません。
アルミ製品を重曹で洗うと、化学変化して黒ずんでしまいます。
しつこい汚れの落とし方|これで安心!お手入れ豆知識
しつこい汚れやコゲがあり、落ちにくい場合は、メスティンに大さじ1~2杯のお酢を入れ、汚れが完全に浸るくらい水を入れて煮込んでみてください。
これで大体落ちます!
科学すごい!科学最高!
またコゲではないけど、メスティンがなんだか黒ずんできた、間違って重曹で洗ってしまって黒ずんでしまったという場合は、輪切りレモンと水を入れた鍋に入れて煮込んでみてください。
まとめ
最近はメスティンも様々な種類があり、お手入れがしやすいように表面にフッ素加工がされたスリップメスティンと呼ばれるものもあります。
大きさも大小様々なものがあるので、使用シーンに合わせて自分に合うオンリーワンを探すのも楽しめます。
キャンプの楽しみは、自分で好きなように道具を変えられるところです。
是非あなたが選んだ、あなたにぴったりの道具を探してみてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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